パイプたばこ

2016年11月18日 (金)

コーネル&ディール・バージニアフレーク1

コーネル&ディール・バージニアフレーク。C&D Bulk Virginia Flake。バルクのブレンディングバージニア。

ミニパイプ用のタバコを国内で探すのはなかなか困難だが、ではレギュラーサイズのコーンパイプタバコはどうだろう。アメリカンキャベンディッシュはキャプテンブラックやミドルトンなど少ないながらあるのだが、どうにも素のタバコ系の、特にバージニアのブレンドは高価な缶入りばかりだ。だとしたらコーンパイプの気軽さを損なわずにバージニアタバコのテイストを楽しむには、どうすべきなのだろうか。

コーネル&ディールのブレンディング用であるバージニア・フレークを、ヘンリー様から小分けで頂いた、これは大穴をまことにありがとうございます。レッドバージニア少々とブライトバージニア多めの固いフレークを、かなり大きめにざくざくと小石状にカットした、まるで園芸で使うバークのウッドのような見た目の、ブレンディング用のリーフである。

ただしこのままだとストレングスがかなり高く、またコーンパイプ用としては燃焼力が少々大人しい。そこで、これに手巻きシャグを足そうということを考えた。残ってしまっていた手巻きシャグであるコルツを用いた。最近の私はシャグを、紙で巻かずにコーンパイプなどでふかしてしまうのだが、コルツはパイプにはどうにも合わない味であり、敬遠していたのである。

C&Dバージニアフレークはその形状から、そのままではフランクメソッドにはとにかく不適である。しかしここに手巻きシャグを絡ませれば、非常に詰めやすくなった。タバコ密度も良い感じ。

そして火を着ける。最初は当然コルツのテイストのみが出てくる、いわゆる鉛筆の芯のような細く鈍い味わい、パイプでコルツをふかすとどうにもこういう味になってしまう。しかし燃え進んでいくと、旨くて太いバージニアの味わいが突然出てきたのだ。

このヘンリーさんからいただいたC&Dバージニアフレークが私には大当たりで、レッドバージニアの甘さとブライトバージニアの旨味が、さも当たり前のように出てくるから、コルツとのギャップで余計に旨く感じられた。ブレンディング用だからC&Dの中でも最も原始的なバージニア味なのだろうが、これでもあの旨味は豊富だ。

コルツの燃焼力がなかなかに強く、この燃焼力がバージニアの味をいつも以上に出力させた可能性が高い。パイプタバコでもバージニアにバーレーを足した、手巻きシャグで言ういわゆるブロンドシャグのようなブレンドは燃焼力を上げる手段として典型的なのだが、それ以上に火力が上がったので上手く行った。

細いカットのコルツの中にバージニアフレークのごろごろした物が入っているという、一見して奇妙で燃焼が合わない組み合わせのブレンドではないかと思ったのだが、コーンパイプに使うにはかなり適したブレンドだったと思う。ブライヤー用にはちょっと燃焼力があり過ぎるかもしれない。

コーンパイプ用のコブタバコが無い場合、パイプタバコ用の汎用バージニアに手巻きシャグを足して、燃焼力をアップして使うというのも悪くないんじゃないだろうか。特にコルツのようなどちらかと言えば苦い・暗い感じの物の方が、バージニアの明るさをより際立たせることが出来るのではないかと感じている。手巻きシャグを組み合わせる場合、お互い役割をはっきりさせておいた方が結果は上手く行く感じだ。シンプルで直線的な味わいのリーフ同士を、対照的な味で組み合わせるのが良い。

またわざわざこのためにシャグを買わずとも、シガレットをばらしたものでも良いんじゃないか。量をたくさん使うわけではないから、その程度の量で丁度よい。コーンパイプってパイプ自体が消耗品になってしまうから、さほどコストパフォーマンスが良いわけではないのだが、工夫のしがいはブライヤー以上にあって楽しいよね。

2016年10月31日 (月)

アップルパイプ1

アップルパイプ(旧アップルポケット)。Middleton's Apple Pipe Tobacco。アメリカンキャベンディッシュパイプタバコ。

現在はアップルパイプという名称になったが、旧名ではアップルポケットとなぜポケットが着いたのか不明なアップルポケットだった。国内販売のアメリカンキャベンディッシュとして、キャプテンブラックとともに有力な選択肢だ。取り扱いは日辰貿易、ミドルトンのパイプタバコを扱う、他にはブラック&マイルドブラック&マイルド・ワインベリーがある。アークロイヤル・パイプタバコも良い物だが、日辰貿易さんはアメリカンカテゴリ好きにとって外れが少ない印象だ。今回は深田あり氏に小分けで頂いた、これは良い物をどうもありがとうございます。

店頭などでの説明ではバージニアとペリックを主に使用しているとあるが、私としては普通にバーレーキャベンディッシュのタバコのカテゴリだと感じた。バージニアキャベンディッシュのダッチタイプのような硬質な感覚は受けなかった。極めてフレンドリーな、キャプテンブラックなどのカテゴリ範疇と考えて良いと思う。

普通に良い具合だ。カテゴリで期待されるあのテイストを期待通りに出力する。使い勝手なども期待通りで、ブライヤーパイプでも行けるし、コーンパイプにも適する。燃焼性も模範的。香りはアップルだそうで、確かにそうだ。アップルの香り含め、全体的にこのカテゴリとしてはさっぱりとした香り味わいに仕上がっている。

良い意味で期待を裏切ったのが、アメリカンキャベンディッシュの悪い点が少なかったこと。香りは確かにアップルだと書いたが、他のアメリカンキャベンディッシュはなんかこう、バタ臭いというかいかにもドラッグストアブレンドだというような香りが鼻につくのが普通だ。しかしアップルパイプはそういう所が少ない。アップルがアップルとして成立しているのは、このカテゴリでは驚くべきことだ。

また喫煙後のパイプは、アメリカンキャベンディッシュを喫煙すると普通はボウルが蜜でぬちゃぬちゃになる所だが、このアップルパイプはそれも少なかった。全体的に上手く、カテゴリ自体の持つ欠点を解消した感じに作ってある印象を持った。

思っていたより洗練されたキャベンディッシュだった。ミドルトンはパッケージのデザインが洗練されていない印象があるのだが、中身のタバコ自体は他より洗練されている。感じたのは、キャベンディッシュ調味液が他より良い物なのではないだろうかということ。現在50g1300円とキャプテンブラックより少々高価ではあるが、(計算してみたらキャプテンブラックの方がわずかに高かった、いつの間にか42.5g1150円になっとる)その価値はあると思う。

2016年10月22日 (土)

Iwan Ries & Co. Three Star Blue2

IRC Three Star Blue。マックバレンUSA販売のバージョン。

その1

このたびマックバレンUSAがディストリビュータとして、従来IRCでのみ売られていたこのショップブレンドが、多くの米ショップで売られるようになったようだ。従来3☆BlueはアルタディスUSAが製造との表記ということで、おそらくSutliffのリーフを用いていただろうが、そのアルタディスUSAの名前が外れて消え去りマックバレンUSA名になった今回のこのブレンドは、果たして以前とは異なるのだろうか。7oz(200g)の大缶入りを購入した。

うーむ、おかしい。味が以前とは、ヘンリー様よりいただいた物とは、かなり異なる気がするのだが。なぜだ、やはりSutliffのリーフではなくマックバレンの葉なのか。香りなどは割と近いと感じるのだが、特にバージニアがかなり異なるんじゃないか。ふかしていると酸味があり、以前のバージョンではこの酸味はあり得なかった。ひょっとしてバージニアはマックバレンのダニッシュレモンバージニアなのではないのか。

バーレーも以前よりも強く気になるとか、微小に入るラタキアの香りが火事場の香りでマックバレンの物ぽいなぁとか、いろいろと細かく異なる所はあるのだがまあいい。バーレーはかなり燃焼感のあるいかにもアメリカンというドライなホワイトバーレーなのでマックバレンぽくないので、何とも言えない所なのだが。とにかくバージニアだ。

普通のパイプ、ジルサスリースター(IRCで扱っていたもので、まさにスリースターブレンドをふかせというパイプだろう)、WDCデューロ・ベークライトの3つでふかしてみた。どれも以前のような味ではなく、甘さは極小で酸味が目立った。特にWDCはいわゆるアーリーアメリカンパイプの中でもお宝クラスの素晴らしい物で、いただいたヘンリー様からも断腸の思いで譲っていただいた一品である。ジルサもこのスリースターは、アーリーアメリカンの特性に現代のヘルシーな製造工程で近づけた物と言え、両者味の変わる特別なパイプだ。後者二つのパイプは、この手のフィリップモリス・リベレーション類似とする特殊なアメリカンパイプブレンドをふかすために存在すると言っても過言ではないと私は思っていて、これでダメなら全部ダメだろう。

ベテランのIRCファンの方は、このバージョンを一体どう評価するのだろうか、非常に気になる。私としてはかなり納得できない味わいです。200g$15弱だったから、以前のIRC売値より明らかに安くなっていて、どうもおかしいと思った。

2016年10月15日 (土)

VAUEN Trüllerie 1

VAUEN Trullerie。uは上に点々(ウムラルト)が付く。バージニアパイプタバコ。

現在ドイツのファウエンはマスマーケット向けパイプ製造メーカーの中でも、最もアバンギャルドな存在ではないかと思っている。Youtubeの動画などでもファウエンの工場動画はサビネリやイギリスメーカーなどと比べても、製造工程だけでなくいろいろなモチーフを動画に挟み込んでくるし、女性を良く用いたり、ピアス+クロス職人なんかも。なんかちょっとこのダンディ感が感覚的に古いのだが、まあそういう所を目指しているメーカーだということにしておこうと思う。ドイツは他にもなんかそういう感覚を持つ喫煙具などのメーカーが多い印象なのだが、お国柄なのか。

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ファウエンのパイプタバコの製造はコールハスが行っている。国際資本化してから従来のK&Kとはかなり異なるようになった模様だが。多数のインターナショナルブランドを持つようになった。

コールハスの非着香バージニアと言えば、ラットレーだとかソラーニなどにあるが、アシュトンゴールドラッシュを除いてみんなフレークばかりだ。コールハスの非着香バージニアフレークというのがこれまたグリセリンが強く、私の味覚ではグリセリンの風味ばかりが強く感じられてどれも同じに感じられてしまい、正直な所あまり賛成できない出来なのである。

このTrullerieはコールハスのバージニアということでその点が心配だったのだが、フレークではなく様々雑多なカットの混在する、ラフカットの範疇に入るのだろうか、そのようなカットだったのでグリセリンは少な目で助かった。葉は太いカットのかなり雑多ないろいろなカラーとカットが入り混じるもの。フレークの細かい切れ端みたいな物もあれば、葉の原型が見えるような物も。ごつい系のダニッシュタバコやC&Dバルクのチョップドカットみたいな見た目だと考えれば良いだろう。開缶時の香りはアフリカンの熟成香のような甘い香りがある。

そのバージニアの葉質はブレンドの見た目通り様々なバージニアの味わいで、ラットレーマリンフレークの端材だろうかレッドバージニアのような甘さや煙感なども含まれるのだが、メインはダニッシュレモンバージニアなのである。バージニア銘柄でダニッシュバージニアを中心に据えてくるとは、マックバレンバージニアNo1モダーンバージニア以来の感覚だ。

レモンバージニアというと酸味が心配だが、加工程度は低いので酸味以外のテイストが削られているという印象も無く、酸味だけということはない。またレッドバージニアもそこそこ効いていて、バランスは取れているんじゃないか。バージニアNo1のように変にデジタルなとがった味わいでは無いんじゃないかと思う。

一言で言うと、モダーンバージニアの強いバージョンみたいなテイストだが。ドイツ人は着香のダニッシュタバコばかりをふかしている印象があるが、彼らにとってバージニアとはこういう味なのだろう。

多々あるコールハスのバージニアを集めてきて雑多にブレンドして闇鍋化しているブレンドのレモンバージニアタバコだ。コールハスの加工前のバージニアを試したいというなら、Trullerieを試してみる価値はある。それにしても、コールハスはたくさんバージニア持ってるね。

2016年10月13日 (木)

Fribourg & Treyer Golden Mixture1

Fribourg & Treyer Golden Mixture。バージニアパイプタバコの終着点。

プランタに製造移管した名門F&Tだが、現在はプランタの高級バージニアのレンジとして活躍し、地味に高い人気を誇っているようだ。そのなかでも特に地味な銘柄と思われるのが、このゴールデンミクスチャー。他の銘柄は他種葉とのブレンドだったり加工だったりいろいろしてあるようだが、このF&Tゴールデンはもろにイエローバージニアのシンプルブレンドだ。

大まかに言うと、完熟ゴールデン(イエロー)バージニアのリボンカット、アフリカンバージニアだ。イエローバージニアにはグループとしてアフリカン、マイソール、アメリカンなどがあり、もちろん他にもあるが、大まかにはそれら3タイプがメインストリームと言えよう。

アフリカンは日本では高級バージニアとされている所を感じ、限定販売の1500円もするピースクラシックがアフリカンで、普通のピース(10)などがマイソール中心ということで、なんとなくアフリカンの方が高級なように思えるのだが、ワールドのマーケットとしては別にマイソールが安いわけではなく価値としては並んでいるようだ。個人的には香りのアフリカン味のマイソールというイメージがある。

マイソールの有名所がSGゴールデングロウ、ダンのブレンディングマイソール、そしてカガヤキあたりか。アフリカンはダンのブレンディングザイール、同社マラードエソテリカピースヘイブン、旧ラールセンフレークカット、パイプタバコ外ではロスマンズとかカレリアのジョージカレリアス&ソンズあたりがめぼしい所。アメリカンはマイソールとアフリカンの中間のような味わい香りで、オーリックゴールデンスライスドを中心として多数使用されている。間違っていたらすいません、ここら辺の情報はさすがに少ないので。

だいたいこのF&Tゴールデンすら、本当にアフリカンかどうか不明。なんとなくアメリカンぽい印象もある。でもまあ、アフリカンのカテゴリの味わい香りということで良いんじゃないだろうか。というお茶の濁し方。

さて問題のF&Tゴールデンだが、缶を開けるともろにアフリカンの熟成香であるレーズンぽい甘い特有の香りが。あぁ幸せ。これぞゴールデンバージニアの醍醐味で、レッドバージニアのケチャップ臭などとは比較にならない愉悦である。しかしパイプタバコとしての加工の程度はさほどではなく、かなりRYOタバコやブレンディング葉に近い、そっけない仕上がりのようだ。マラードのような重加工アフリカンはさりとて、ピースクラシックよりも加工されていない感じだが。

缶にぱんぱんに詰められた1.5mm強幅のリボンカットをピンセットでほぐして、フランクメソッドで詰めて喫煙した感想も、かなりRYOタバコに近い、素の感じに近いアフリカンだった。着火や火種維持など燃焼性も非常に良く、タンピングしても味が壊れないのは低加工のおかげだろう。ほんの少しだけパイプタバコならではの加工の影響で喫煙中も甘いレーズン香が少しだけふわっと漂うのだが、それ以外は表面的にはRYOタバコ同様と言って差し支えない感覚。底まで簡単にふかせ、喫煙後のパイプは湿らず非常にイージー。もちろんRYOのように燃焼温度が上がり過ぎることはなくブライヤーパイプに適。

葉のグレード自体はダンよりもほんの少し下かもしれないがまあ十分じゃないだろうか。シンプルなタバコはブレンダーよりも農家さんや地力の影響の方が大きく、私としてはあまりうるさく言いたくない面はある。どうしようも無いじゃんそういうのって。別に問題があるほどというわけでもないし。このカテゴリとして十分旨いレベルには達している。

総合して、さりげないパイプタバコ加工レベルのアフリカン。これでパイプタバコ(贅沢品)関税取るというのはどうかと思うが。しかしこのさりげなさにファンはつくんじゃないかという印象を持った。

マラードは旨過ぎるがゆえに、少々喫煙が難しい所も感じ、飽きも来ないとは言い切れない濃度があったが、F&Tゴールデンなら飽きは無いだろう。またRYOタバコほどそっけないわけでもなく、時間経過も計算されて実はかなり緻密にブレンドされているということはゴールデンバージニアファンのみなさんなら理解できるはずだと期待する所だ。香りもアフリカンとしてはっきりとでなくさりげなくアピールし、味も少々ビターな面をたまに見せることでなるほどイギリスタバコだなと思わせるところはあり、分かりにくいがRYOとの差は厳然として有ることをこのカテゴリのファンなら感じ取れるはずだ。

ちと苦しい記事になってしまうタバコではある。アフリカンと言えばあのドカーンとくる誰もがハッピーになる甘い香りを期待してしまうが、そういうタバコではない。さりげない良さを楽しむタバコだ。よって、常喫やながら喫煙には極めて適している。

またおそらくタバコとしての毒性も低いんじゃないか。F&Tゴールデンミクスチャーを晩年までふかしていた過去の有名人としてバートランドラッセルBertrand Russell(Wikiへのリンクです)という方(というか偉人)がいるが、F&Tゴールデン愛用者は是非覚えてくだされ。マックバレン・ミクスチャーモダーンやボルクムリーフ・レギュラー(旧ウルトラマイルド)などの終着点ダニッシュブレンドに並んで、F&Tゴールデンはバージニアカテゴリの終着点としての存在でもある。

2016年2月27日 (土)

マイスモーキングショップ・ブレンド・バージニアシャグ2

マイスモーキングショップ・バージニア。

以前はコーンパイプで喫煙したが、今回はブライヤーパイプでの喫煙だ。ブライヤーのミニパイプを入手したら、思った以上にコーンとの違いを感じている。以前はRYOタバコ同然に感じたマイスモーキングのバージニアもブライヤーならどう感じるのだろうか。

これは、なかなかテイスティなバージニアに感じられるではないか。なかなか旨いバージニアだ。アフリカンのような特別な感じではないが、普通のバージニアとしてなかなかテイスティ。普通に旨い。

たしかに大枚はたいてイギリスから輸入するほどではないが、単なるRYOタバコと片付けるのは惜しいバージニアに昇格した。これはこれで良いだろう。

2016年2月26日 (金)

ミウラ・レゼルバをカットしたもの1

ミウラ・レゼルバをカットしたもの。

ミニパイプのカテゴリーでは、GHのマラウィバーレーを使用した物や、ベルギーの地タバコであるスモア、そして本物のシガーリーフを用いたスタッドオートマルスムなど、シガーテイストを味わわせるタバコに人気がある。他の人気カテゴリとしてはシンプルバージニアが人気だろうか。バルカンタイプのビターなオリエントなどを複雑にブレンドしたものや何週間もかけて加工を施したようなものの人気はさほどではなく、シガレットタイプのシンプルな味わいのものが中心だ。

最近のコーンパイプのシーンでは、4nogginsのジョンパットンブレンドなど結構本格的なタバコに人気が集まっているのと比べれば、ミニパイプではそこまで先鋭化はしていない。あくまでシガレットやシガリロクラス程度の気軽さが望まれているようだ。

だったら、本物のシガーをパイプタバコのようにカットしたものだったらどうなのだろうか。この興味は以前から抱いていた。ブライヤーのミニパイプを入手したことによって、とうとうそれを実現させることができるようになった。コーンパイプは性能が高すぎてシガーフィールを感じにくく、単なる良く燃える塩っぱいバーレーとしか感じない場合もあり、シガー系のスモーキングではブライヤーとコーン両方を用意し、適したものを選ぶ必要があるだろう。

今回のシガーは数多くのシガーを手掛けるミウラの、オリジナル銘柄であるレゼルバ・セレクタである。フルボディかつ比較的良好な作りで、米の廉価バンドルシガーの中では人気のある銘柄のようだ。分からない方は味の想像のお手伝いを、ニカラグアのロングフィラー、非スパイスドラムで、葉の品種は重めの物を用いた、特殊な技巧は無しのスタンダードな感じのシガーと考えてもらえれば。

これを1~2mmくらいの幅にカッターナイフでロープタバコをカットするかのようにカットし、ほぐしてフランクメソッドで詰めこんだ。ロングフィラーのシガーリーフは薄く美しく、ほぐすと見た目は完全にパイプタバコのようだ。ちなみにショートフィラーは輪切りにすると、フィラー部分が細切れになってしまうので、ショートをばらす場合はラッパーとフィラーは別にしたほうが良い。ビトラはロブストで、このミニパイプだと1本で5~6回分くらい喫煙できそうだ。

シガーリーフとパイプタバコにおいて一番異なるのが燃焼性である。シガーリーフは必ず燃焼性が良くなければならず、ほとんどすべてのシガーリーフはパイプタバコではバーレー並みの燃焼性だと考えてよい。ケンタッキーは味はバーレーに近い(まあ軽快感はなくて重い感じだけど)が燃焼性が大きく異なりバージニア並みの遅い燃焼性であり、ケンタッキーを用いたイタリアンシガーの燃焼が異様に遅いのはご存知の通りだろう。バージニアでシガーを作ると、あのような遅い燃焼になるのだ。

GHマラウィバーレー、スモアなどの、シガーテイストパイプタバコがケンタッキーではなくすべからくバーレーをベースとしているのも、シガーフィールのためなのである。また逆に、米C&Dがダークファイヤドケンタッキーを「グリーンリバーブラックキャベンディッシュ」としてバージニアブラックキャベンディッシュ代わりに使っているのも、バージニアの燃焼性に近いケンタッキーを用いるわけで、理に適っているのである。バージニアをブラックキャベンディッシュにすると金属感が出る場合が多いが、ケンタッキーはそれが少ない所が良い。ちと脱線したが、シガーリーフをシガーリーフたらしめる一番重要な点は「味ではなく燃焼性」だということを、ご理解いただけただろうか。

さて本物のシガーをブライヤーパイプで喫煙するとどうなるか。味は、かなり荒い、強い。タフなバーレー。これほどとは。ストレングスもかなりストロングで、ブライヤーでは強すぎるようだ。やはりシガーはシガーの構造がなければ、シガーとしての味が成立しない。シガーリーフ自体がフィルターとして働くことで、あの味わいが生まれる。フィルター効果の小さいブライヤーパイプでは、おそらくシガー生産者は想定していない、荒く強いテイストになってしまう。その味わいはまさにバーレーそのものだ。シガーリーフはバーレーに近縁なのである。

そのバーレーの具体的な感じは、ホワイトバーレーをファイアキュアドしたような感じで、ブラウンバーレーほどカカオ様のテイスティさはないがホワイトバーレーほどドライで無味ということでもない、両者の中庸といった感じのもの。ただし荒く、ストロングで、タフだ。

さてスモアとの違いだが、やはりスモアはパイプや手巻きで喫煙することを想定して作られているため、スモアの方が明らかにパイプに適している。荒さなど無く完成している。シガーをカットした物は荒すぎてパイプタバコとして成立しているとは言えないだろう。スタッドオートマルスムとの違いとしても、スタッドも同様パイプや手巻きをターゲットとしているので、シガーリーフ原料としてもスタッドの方がテイスティだ。

シガーをカットしてブライヤーパイプでふかすのは、さほど良いものではなかった。ミウラ・レゼルバの場合ブライヤーよりもコーンパイプの方がマシだろう。こんな所でコーンとブライヤーの違いを強く感じてしまうとは。

コーン以外でも、非木材のメシャムやベンチュリーパイプやクレイや素焼きパイプも適していると言える。思えばメシャムはブライヤーパイプ以前の、タバコ自体もシガーリーフの味わいに近いものばかりが主流だった時代にメインだったパイプだ。まさに今回のようなタバコをふかしていた時代だったのではないか。タバコに適したパイプを選ぶのも、パイプスモーキングのポイントの一つだろう。

2016年2月13日 (土)

ガーウィズホガース・RODEOその2

GH RODEO。

以前はコーンパイプで喫煙したのだが、どうも「違う」印象がぬぐえず、今回はブライヤーのミニパイプを用いてロデオを喫煙した。

ミニパイプは、Dr.Hardyというブランドで、長さ180mmくらいのハーフサイズチャーチワーデンという説明がされている。ベントではなくストレート形状のパイプだ。ボウルがミニパイプらしく肉薄で、甘味は出にくいかもしれない。これにフランクメソッドで詰めこんだ。

前回のコーンパイプでの味わいはいかにもファイアキュアドバーレーという塩味がメインだったが、それ以外の複雑な部分がどうにも出てこなかった。それが今回のブライヤーミニパイプでは、塩味はさほど感じられず、レザー様のビターでアーシーなテイストが主の、まさにシガーをパイプでふかしたそのままというテイストだったのだ。コーンパイプではどうにも感じられなかったあの奥行きにあった香り味わいが、あろうことかメインとなって迫ってきたのである。

まさにシガーテイスト。GHのマラウィバーレー(ファイアキュアドバーレー)は、シガーやスモアとほぼ同様の味わいだったのだ。これは、実にダンディで重々しい味わいではないか。これほどパイプで違うとは。ストレングスにもかなり差があり、ブライヤーで喫煙すると結構強いタバコだということがわかる。

確かにコーンパイプの吸水性の高さは圧倒的で、非常に能力の高いパイプだ。しかしそれはGHのケンダルパイプ用シャグにおいては、念頭におかれていない性能だったのだ。味わいの細かい部分まで損なわれ、スモーキーというよりも塩っぱさをメインに伝えてしまった。
しかし私のDr.Hardyも、これはこれで吸水の性能などが低すぎる気もするし、ボウル壁の薄さも大いにデメリット。GHはここまでレザリーなアーシーさ、シガーリーフそのままというテイストを伝えたいとは思っていないはずなのである。もう少しカジュアルなテイストを予期しているはずだ。

やはりダンヒル①のような、ブライヤーで作ってはいるのだが、吸水性はもう少し高く、ボウル壁はレギュラーのパイプくらいある保温性高いパイプを予定しているはずなのだ。すると、上記のコーンパイプのベースの味と、Dr.Hardyのレザリーなアーシーさの両方が、バランス良く出現するはずなのではないだろうか。

GHのケンダルシャグは、特にマラウィバーレーのブレンドされたシガーテイストを含むタバコは、あまりにプレミアムなタバコで、それゆえパイプへの要求も高い。おそらくこれはスモアも同様だろう。GHマラウィとスモアは、かなり近いタバコだと感じている。スモアの方が少しフランスっぽく豊かで丸く、マラウィの方がイギリスっぽく直線的で深さがあるが、どちらもバーレーにシガー流のキュアリングを施した、レザリーなアーシーさを持つタバコである。

2016年1月24日 (日)

ジャーマイン・リッチダークフレーク2

今回の記事は完全に空想なので、読まないでください。

その1。リッチダークフレークにはバーレー入ってないと思う。

ジャーマインのリッチダークフレークとエソテリカ・ストーンヘイブンの違いは、いろいろなサイトを見たところによると、どうやら葉質が違うんじゃないか。リッチダークフレークはSGのFVFの熟成レッドバージニアで、ストーンヘイブンはどうもプランタの葉に見える、プランタでもJJFoxBarlingなどのクラスのリーフ。見えるだけで違うかもしれないけど。ジャーマインに葉が入ってきたあとの工程はほぼ同様だろう。ジャーマイン・プランタ説が述べられたことがあるが、確かにプランタの葉を使用している銘柄はあるだろう。

というか、ジャーマインは他のメーカと違い、自分のタバコ畑を持っていないんじゃないか。だから今でも生き残っている。メーカーとしてではなく、加工所として、GQなどのブティックブレンダーと似たようなポジションとして生き残っているというわけだ。

メーカーは自分の契約している畑で、場合によっては自分(もちろん大学や農協や種屋など外部委託もあるけど、要するに他メーカーでは植えない品種ということ)が品種改良したタバコ品種でタバコを生産している。葉自体がオリジナルなわけだ。だからメーカーが増えると農家も増えるというわけで、飽和するといつぞやの大合併みたいなことが必要になるのだ。またメーカーは葉さえ売れれば良いわけで、パイプタバコの昔ながらの作り方は否定し、合理的に作るだけだ。そしてマクレーランドやC&Dのように似たような銘柄を多量に作ったりもして、選択をユーザーに任せてしまう。

パイプタバコ屋にはメーカーとしてではなく、ブレンダーや加工所として生き残ることも可能で、それの最たるものがジャーマインということではないだろうか。ゆえに、メーカー製のリーフを入荷し、ブレンディングや加工を施すことで、商品として成立させる。多数の会社のリーフを使用することが可能。ただし燃焼のプロファイルなどが合わない場合も多いので、ジャーマインの場合はそもそも複数メーカーの葉は混ぜず深い熟成過程でタバコ全体がほぼ一体化するような加工をする。GQは深い洞察力で葉のキャラクターを見抜き、さらに多数の試喫でブレンドを成立させる。どちらも素晴らしい。

デメリットは当然、リーフの供給量が不安定なことだろう。また銘柄による契約だとか、国ごとに供給元を変えるだとかいった努力も必要となる。例えばSGはアメリカでも自分のタバコを売っていて、それと競合する銘柄をリリースされたら困るだろう。母国での競争は独占禁止法とかがあるから、それを理由にジャーマインに葉を供給しないということは法律違反だろうし、まあSGとしても実際として大して問題ないんだろうけれども。だから今回のイギリス仕向けのリッチダークフレークと、アメリカ仕向けのエソテリカ・ストーンヘイブンの違いのようなことが起こるのではないだろうか。

まあ最近はマックバーレンすらどうも自前の葉ではなさそうなリーフを使っているし、何も特別なことじゃ無いのかもしれない。

ジャーマインを生かしていきたいと思うなら、安いコストで安定して生産できる「通常の銘柄」を継続的に買ってあげることじゃないか。アンクルトムプラムケイクとか1820など。ただし日本ではパウチを入れてくれないと継続購入は難しいけどね。ドイツ人はミクスチャーNo7とか買って偉い。アラブの王様がジャーマインを買い占めているということが噂されるが、旨い銘柄だけを買い取っているのではないだろう。満遍なく買い取っているのだきっと。

メーカーとは違って、たくさん売れる銘柄に注力してコストダウンするということができない。ゆえにジャーマインとしての選択肢は、アメリカ市場のようにハイクラス銘柄を高額化するか、安いタバコも一緒に買ってくれる人のみに売るかのどちらかではないだろうか。

2016年1月 5日 (火)

パイプによる味の違いについて2

パイプによる味の違いについて。

私が持っているパイプでは、特にまずい味の出るストレート構造のパイプというのがある。スタンウェル・デ・ラックス(de luxe)の471番というシェイプのパイプである。私の持っているパイプの中でもものすごいグレインを持っている圧倒的に贅沢な見た目のブライヤーでまぎれもないメイドインデンマーク、少々ポット気味の、ビリヤードに比較すると短めのチャンバーを持つ、オーバルシャンクのストレートのパイプである。チャンバー穴径は19mmチャンバー壁厚は5mmくらい煙道は3mm。

私のベントでないストレートのものすごいグレインをしているこのパイプが、なぜかまずい。どのようにまずいかというと、今回もSGゴールデングロウをふかしたのだが、味がかなり単純化され、おまけに薄味化されるようなのだ。水フィルターを通過でもしたのだろうか。

ゴールデングロウだというのにタンバイトが出て酸味も出る、燃焼温度が上がるとあろうことかバージニアの持つ青臭い苦みが占め、最初から最後まで味に複雑性が感じられず、まるでバージニアNo1をイギリスパイプでふかしたかのようなテイストだ。上手い具合にふかせる安定期に入ると甘さは確かに出るのだが、この甘さというのがまるで基本キャベンディッシュかのような生っぽい味わいで、しかもバージニアをバージニアたらしめるはずの他の風味が消えてしまう。味の複雑性がかなり失われてくぐもった甘味だけというのも苦痛だ。

味は確かにまずい。まずいのだ。理由がわからないまずさで、普段はあまり使っていないわけだが。このパイプは一般的とは言えないよね。味が大事なタバコの記事を書くときに、このパイプを使うことは無くなった。

基本的にはストレートのイギリスパイプやそれに準じるジルサやサビネリ、これらはほぼ同じような結果をもたらすパイプだが、ブライヤーパイプはこの3本を中心に使用している。素直で安定していて、誰でも「これは普通のパイプだね」と言ってしまうパイプでなければ。コーンパイプと味香りの出方のプロファイルは似ている、普通にパイプ作ればだいたいこれらのようになるはずだ。

対してこのスタンウェルは、味はダメだ。本当にダメ。しかしながら、香りの面は、これはすごい。さすがダニッシュ、この香りは素晴らしい。理由はまったく不明で、イギリスパイプと何が違うのか、似たようなストレート構造なのに。スタンウェル・デ・ラックスで炊くSGゴールデングロウの香りは、まさに理想とするバージニアの甘さやほっとさせられる酸味などが中心となり、藁のような粗野な草っぽい香りや煙たさはかなり減っている。香りの変化や複雑性や忠実性は他のパイプの追随を許さず、煙たさがかなり減りゴールデングロウがあろうことかダニッシュ並みのクリーンな煙になっている。周囲にいる人が嗅いだら「理想的なバランスで絶対に旨いバージニアだな」と感じるはずだ、実際の味はひどいが。なぜだ。

味で出てくるべきものが、香りとなって出て行ってしまうパイプなのか。これがダニッシュの神髄なのであろうか、まさに自分ではなく他人を喜ばせる、舌でなく鼻を喜ばせるためのパイプである。喫煙後も、体への付着臭が弱い。意図せずにクリーンな煙になってしまうようだ。

喫煙後は煙道にかなりジュースが溜まっていた、何か月も使用していないのに。喫煙中に何度もモール通したし。ひどいほどタンバイトが出てきたわけではないので、掃除不足だとか連投使用時のような苛烈なほどのタンバイトということではない。

シェイプがポット気味なので少しチャンバーが浅く壁厚も薄く温度が低いようで、ボウルを手で握って温度を高めてやったら、上記の基本キャベンディッシュのような生っぽい甘味が出てきたが、まあイギリスパイプ使えば普通にこれくらいは出るどうということもない程度の甘さ。そんでその甘さが出てきたら他の味の要素が引っ込むの。バランス取れない、バージニアに感じない。しかしこの時の香りの良さはすさまじく、甘さの出ているゴールデンバージニアの味を想起させる最高の香り。少しでも良いから他人を喜ばせるだけでなく私に対してもめぐんでくれたら… と思わずにはいられない。

ところで、SGゴールデングロウは、私にとって最高のタバコの一つであり、基本中の基本というタバコでもある。これがパイプのテスターでありアベレージタバコ、随分高いレベルのアベレージかもしれないが。

しかしこのスタンウェルを見てもわかる通り、ゴールデングロウのようなバージニアはそもそも念頭に置いておらず、最初からダニッシュしか想定していないパイプというのもあるので、一概には述べられないな、というのがパイプタバコの世界なのだろうか。どうやって作り分けているのか不明だが。ダニッシュにはダニッシュの秘密があるようだ。

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